だんご虫ヒーロー。
調理場を覗けば、先輩が調理方法を教わりながら楽しく料理をしている。
先輩をつい目で追いかけてしまう。
すると自然とこっちを向いた先輩と目が合ってしまう。
私を見た瞬間、パァッと表情が明るくなった。
その表情に不覚にも心臓の鼓動が高鳴る。
でもそれはほんの一瞬で、またすぐに元に戻った。
何だったんだろう、今の。
「李?どうしたの、急に」
一瞬だけ高鳴った鼓動のことを考えていたら、いつの間にか先輩が目の前にいた。
あ、そうだった。
先輩を誘導するんだった。
「あ、えっと後で話したいことがあるので、店の外に来てもらってもいいですか?」
「え、お、俺に話!?」