だんご虫ヒーロー。



あれ?先輩の頬が若干赤くなってる。



顔が熱くなるようなこと言ったかな?私。



心の中で首を傾げて考えてみても思い当たらない。



きっと調理場が熱くて火照ったのかも。



「あ、今じゃなくていいですから。じゃ、じゃあまた後で」



逃げるようにして先輩から遠ざかる。



逃げたかった訳じゃないけど、何だかあそこにずっといられなかった。



無我夢中で走り去ったから、先輩が私の後ろ姿をじっと見つめていたなんて気づくはずなかった。


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