だんご虫ヒーロー。



「…李は何にも悪くないんだよ?
むしろ李は困ってる雪菜を助けたんだから。
自分のせいで傷つけたって、自分のせいだって気負いする必要、ないんだよ?」



先輩の言葉は私の胸に深く染み込む。
染み込んで、すっと私の中に馴染んでしまうの。



とても不思議。



「……振った人が…言うセリフ…っですか…」



つい面白くなって泣きながら笑ってしまう。



だからそれを言うなよ。



私の泣き笑った顔を見て最初は驚いていた先輩だけど、やがて苦笑いして言った。



やがて私の頭を優しく撫でてニコッと笑う、先輩。



その笑顔がまたチャラくて、でも私を笑顔にする。



いつから私、先輩の前で笑うようになったんだろう。



初めて出会った時は睨んでたのに。



そんなことを考えていた私は、次の声で我に返る。



「……雪菜ちゃん!?」


< 134 / 554 >

この作品をシェア

pagetop