だんご虫ヒーロー。
……ドンッ
下を向いて歩いていたから前にいる人にぶつかってしまった。
「…ご、ごめんなさ……」
弱々しい声で言いながら顔を上げる。
目の前にいたのは金髪のいかにもヤバそうな男の人。
そして辺りを見回せばいつの間にか、祭りの裏路地に入っていた。
「…いってーな、どこ見てある…」
金髪の男の人が振り返って、私を見て言葉が止まる。
見た感じだと夕里より1つ2つ年上のよう。
男は私をじっと見てからニヤリと笑った。
「…可愛い子、はっけーん」
ガシッ
いきなり手首を掴まれた。
や、やだ。
私どうなるの!?
金髪の男の人の声に反応して、後ろから数人の男の人がニヤニヤと笑いながらやってきた。
「…あ、ほんとだ〜。可愛いじゃん」
「ね、彼女。俺らと遊ばね?」
左右にいた男の人達が私に顔を近づける。