だんご虫ヒーロー。

そう思っていると、頭上から声が聞こえた。



「...ごめん、李。あんなみっともない姿見せて。
李が止めてくれなかったら、誰かを傷つけてた...」



かっこ悪いな、俺。



そう言って先輩は自嘲の笑みを浮かべた。



あの姿のどこがかっこ悪かったんだろう...



思い当たるところが一つもない。



だってあの時の先輩は...



「...私から見たら、あの時の先輩はすごくかっこよかったです。
こんな私のために必死になってくれて、私はすごく嬉しかったです...」



顔が熱い。
きっと私の顔は真っ赤になってるんだろうな。



チラッと先輩を見ると、先輩は目を丸く見開いて私を見ている。



歩いていた足もいつの間にか止まってるし。



先輩の顔を見ていられなくて、下を向く。