だんご虫ヒーロー。
睨む君を見て
次の日。
「…これで……よしっと……」
荷物をまとめてひと段落。
今日はついにここから去る日。
あれから海の家に戻って、真智子さんに頬を手当てしてもらった。
そしたら雪菜ちゃんと尾口先輩が帰ってきて、雪菜ちゃんは私に謝ってきた。
酷いことを言って、怪我させてごめんなさいって言われた。
私の方こそごめんねって今度はちゃんと、話しをすることが出来た。
謝られすぎて逆に困ってしまったくらい。
でも最後に笑顔で「助けてくれてありがとう」って言われた。
それが何よりも嬉しくて。
頬に当てられたガーゼを優しく触る。
良かったって思った。
最後まで諦めないで雪菜ちゃんと自分に向き合って良かった。
この傷は痛むけど、辛い痛さじゃない。
嬉しい痛みなんだ。