だんご虫ヒーロー。
な、なんで…
「…何、笑ってるんですか!?」
私が言ってしばらくして、チャラ男先輩は急に笑い出した。
言いたいこと言ってちょっとスッキリしてたのに、なんで笑うの?
可笑しい、この人。
目に涙を溜めてごめんごめんなんて言いながら笑いを止めてる。
私はあなたを傷つけたはずなのに…
「こんなに女子にはっきりと言われたの、初めてだよ。やっぱ、俺の思った通りの人だ」
思った通り?
あなたはたった数分のぶつかっただけの出会いで何を思ったの?
少なくとも私は嫌いだと思ったけど。
「…それに…」
考えていたせいで警戒が緩んでいた。
チャラ男先輩に引き寄せられて、私の腰に先輩の腕が回ってる。
顔が近い。
我に返った時にはチャラ男先輩の整った顔立ちがすぐ目の前にあった。
嫌いな筈なのにこんなに近いとさすがにドキドキする。