だんご虫ヒーロー。
李を傷つけたくない。
李をいつも影ながら助けてくれる芹田先輩も傷つけたくない。
誰も傷つけたくなんかないのに……
私の過去を突きつけられてしまうと、誰かを傷つけることでしか生きられない。
自分の過去が皆にバレてもいいから、李達を守りたい。
そんなこと思いたくても思えない自分が、どうしようもなく嫌いになる。
…李、私どうしたらいいの?
あなたみたいに何事にも屈せずに自分のやりたいことをやるには、どうしたらいいの?
自分が傷つくのを恐れずに大切な人を守るにはどうしたらいいの?
あなたの一番近くにいたのに、あなたのことが一番分からないよ……
…李……李……っ!
「…助け、て……もも……っ」
1人取り残された私は急に降り出した雨の中、声を押し殺して泣いた。
自分を守ることで精一杯の自分への腹立たしさと、助けて欲しい人に助けを求められない苦しさを吐き出すように……
もちろん泣いてる私を影から誰かが見てるなんて、気づく訳なかった。
【side end】