だんご虫ヒーロー。




不思議になって首を傾げ、また歩き出した。




先輩も私の横に並んで歩き出す。




「…きっと勉強しすぎたんだよ。
李は嫌いなものとは向き合わなさそうだからね」




先輩の言い方に腹が立った。




なんでそんなに上から目線なんですか、全く。




まぁ、嫌いなものはよく放置するけども……




「…でも今回の数学はちゃんと勉強したつもりです」




ぶぅっと頬を膨らませる。




言い方が上からで腹が立つけど、先輩の言うことは正直当たってる。




それが余計にムカつく。




先輩はハハッと笑って、私の膨らんだ頬を人差し指で潰した。




「…つもり、なんだね。そのわりには初歩的な計算ミスばっかだったけど?」




私の顔を覗き込んでニヤリと笑う先輩。




完全にからかってる。




でもテストの点のほとんどを、計算ミスで落としてたのは事実。




きっと先輩は事実を言われて、何も言えない私を見て楽しんでるに決まってる。




悪魔だ。




< 195 / 554 >

この作品をシェア

pagetop