だんご虫ヒーロー。
「…あ、綾女ちゃんの声が聞こえたのは、メールとか電話がきたからじゃない?」
私の睨みを無視するように、先輩は話題を変えた。
自分でこの話題持ってきたくせに。
そう思いつつ、カバンの中からスマホを出す。
桃色のスマホ。
綾女とお揃いで一緒に買いに行った。
私はこういう最先端のものに疎いから、詳しい綾女とかにお任せしてしまう。
スマホを見ると、メール受信したというお知らせのランプがチカチカと光っていた。
メール?もしかして本当に綾女?
私はロックを解除してメールを見る。
メールの差し出し人を見て、自然と口角が上がった。
彼から来た。
いつも自分からメールして来ないのに。
すごく嬉しい。
メールを見て笑ってる私を先輩は曇った表情で見てるなんて、気付かなかった。
私のスマホを見て、先輩は何かを思い出したように「あ」と言った。