だんご虫ヒーロー。
「…やったよ!李!満点だよ!」
「…え、満点!?」
驚いて答案用紙を見るとそこには「100点」と書かれ、花丸が書かれていた。
花丸がなんだか子供扱いされてるような気がしたけど、それよりも今は満点なのが嬉しい。
何故か私よりも嬉しそうな綾女は、私に抱きついて「やった、やった!」なんて言って喜んでる。
先輩に言ったら、なんて言ってくれるのかな?
『よく頑張ったね、李』って言って、素直に喜んでくれるのかな?
いや、きっと『ま、俺の教え方が上手かったからね』とか言ってチャラ男になるのか。
どちらにしても先輩にはお世話になったし、追試満点だったって報告だけしとかないと。
スマホをスカートのポケットから取り出して、先輩にメールする。
私からメールを送るのはなんか嫌だけど、報告だけだから。
そう自分に言い聞かせて、先輩に追試満点だったという内容でメールを送信した。
「…芹田先輩に送ったの?」
メールを送信し終わると同時に、綾女が私から離れて見上げてきた。
私は頷く代わりに、眉をハの字にして微笑んだ。
私のその表情を見た瞬間、綾女の表情が曇ったのが分かった。
「…綾女……?」
どうしたのか聞こうとした時。