だんご虫ヒーロー。
でもね、一つだけ言わせて。
「…綾女、無理はしないでね」
大切なたった一人の親友だから。
無理をして傷ついて欲しくないの。
もし無理をしてるようなら、私は意地でも助けるから…
すると綾女は眉を下げて、一瞬泣きそうな顔をして私に抱きついてきた。
「…わ、綾女?」
いきなり抱きつかれ、綾女の悲しそうな表情に驚いた。
そんなに苦しんでるならどんなことでもいいから話してよ、綾女。
何も言えないもどかしさに苛立ち、手をギュッと力強く握る。
「…李。私が人の道に外れた最低なことしたら、怒ってね。
自分のことしか守れない弱い私を許してね」
いきなりどうしたの?
って言いたいのに、言葉が出ない。
綾女は私が着ている白いカーディガンに顔を埋めて、私の背中に回った手に力を入れた。
「……ごめんなさい………」
綾女が小声で何を言ったのか、私には聞こえなかった。