だんご虫ヒーロー。



苦笑いしてると急に隣から声が聞こえてきた。



「…ひどいなー、李。俺の名前覚えてくれてないなんて」



だから何回李って呼ぶなと言えば分かるんですか?



そんな目つきで私は睨んだ。
いつからか隣にいたチャラ男先輩に向けて。



「…せ、芹田先輩!やば、本物だ!」



綾女、偽物見たことあるの?
というツッコミは抑えて、頬の赤くなった綾女を冷たい目つきで見る。



「嫌いな人の名前は覚えないタイプなので」



冷たくあしらう。
ほんと、ストーカー並みにしつこいなこの人。



チャラ男先輩は私の冷たい言葉にもヘラヘラ笑っている。



「…おはよ、李」



いや、私の言葉とあなたの言葉、噛み合ってません。



この人がいると、ほんと調子が狂う。


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