だんご虫ヒーロー。
「…あ、夕里!?李ちゃん、栗丘さんまたね!」
北村さんは笑顔で私達に手を振って、先輩の後を追いかけた。
なんで……
私、何か先輩に酷いことしちゃったの?
先輩との距離はまだそんなに離れてないけど、先輩が何キロも先にいるよう。
北村さんと普通に笑顔で話してる。
さっきはあんなに暗い顔してたのに。
私に怒ってるの……?
…もしかしてメールを返さなかったから?
昨日のメールは確認出来なかった。
綾女のところに忘れてたし、昨日は面会時間ギリギリまで彼方のところにいて、家に帰ってきたらすぐ寝てしまった。
手元にあっても、きっとスマホは見ずにいた。
先輩はメアドを交換してから毎日メールをくれたから、今もきっとメールがきてるはず。
カーディガンのポケットからスマホを取り出す。
私の予想通り、スマホはメールをお知らせするランプが点滅していた。
やっぱり。
メールを返さなかったから……
先輩に早く返事を返そうと、スマホのロックを解除してメールを見る。