だんご虫ヒーロー。
10話 突然のさよなら
それは突然、私に襲いかかってきた。
嵐のようにやってきては、私の心に傷をつけていった。
私が悲しむ間も与えず、嵐は私の目を濡らし遠ざかって行った。
見えないほど遠い、彼方へと………
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6時限目の授業終了のチャイムが教室に鳴り響く。
今日も長かった。
嫌いな授業を聞いてるくらいなら、サボって彼方のとこにいたい。
サボると彼方に怒られるから我慢してるけど。
しかも今日はよりによって一番嫌いな数学が最後の授業だった。
ほとんど寝てたも同然。
でもこれで授業も終わったし、彼方のところへ行ける。
そう思うだけで嫌な授業だって乗り越えられたんだから。
ご褒美は彼方とのお話し、かな?
なんてことを思いながらふふっと1人で笑ってしまう。
「…わ、李が1人でニヤけてるよ〜。怖い怖い」
声が聞こえてそっちを向けば、綾女が掃除ロッカーに隠れて私を見てた。