だんご虫ヒーロー。
これで本当にレジに行こうとした時。
ポケットに入れていたスマホがチカチカ光っているのが見えた。
あれ、何かきてる。
彼方からのメールかな?
ポケットからスマホを取り出してスイッチを入れる。
ホーム画面に表示されてるのは不在着信20件。
え、20件も!?
一体誰が……
慌ててスマホのロック画面を解除して、着信履歴を見る。
電話してきたのは最初の数件は彼方で、あとは全部綾女からだった。
こんなに電話してきて何の用なんだろう。
もしかして注文追加、とか?
スマホはいつも彼方からの電話にすぐ出れるようにバイブにしてたのに、カーディガンが厚いせいかバイブに気付かなかった。
こんなに電話して気付かないんだから、メール入れといてくれればいいのに。
そんなに慌てるほどの注文なのだろうか。
考えていてもしょうがないから、かけ直そうと『綾女』と表示されたとこをタップしようと指を伸ばした。
すると私がタップするよりも先に、いいタイミングで綾女から電話がきた。
私は通話ボタンをタップして、スマホを耳にあてた。