だんご虫ヒーロー。
「…最近、李学校で見ないんだけど……綾女ちゃん何か知ってる?」
下を向いている綾女ちゃんの顔を覗き込む。
李と言っただけで、綾女ちゃんの目が泳ぐのが分かる。
やっぱり、李に何かあったんだ。
そう思うと居ても立っても居られなくなる。
「李に何かあったの!?だったら教えてくれ!お願いだ!」
李は俺のたった一人の大事な人だから。
彼女に何かあったのなら、真っ先に駆けつけてやりたいんだ。
綾女ちゃんは李に近付くなと俺に言ったせいか、悩んでいる。
そして何故か辺りをキョロキョロ見回している。
登校してる生徒達を気にしてるようだった。
そして何かを確認するとホッと息をついて、歩き出した。
「…私から少し離れて着いてきて……」
綾女ちゃんは小声でそう言って、俺の横を通って先を歩く。
綾女ちゃんの行動が少し気になって、ふと辺りを見回し、俺は綾女ちゃんの少し後をついていった。