だんご虫ヒーロー。



でも目が覚めたら先輩の温もりを感じて、どこか安心してる自分がいる。



ダメだよ。
私は恋をしていい、綺麗な人間じゃないんだから。



先輩は私の手を撫でて、優しい瞳で見つめている。



この人外見はチャラいけど、中身は芹田先輩みたいに一途で優しいのかな?



先輩をじっと見つめ、先輩を分析している。



これって先輩のこと気になってるって言えるのかな…



恥ずかしくなって顔が赤くなる。



「そ、そういえば芹田先輩は!?
李のとこに行きました!?」



顔が赤いのを誤魔化そうと急に話し出した。



声が裏返ってしまい、イマイチ決まらなかったけど。



「…きっと今頃は李ちゃんを慰めてるよ。
綾女が描いた地図だからな。辿り着かないとおかしいって」



先輩は天井を見て微笑んでいる。



私が描いた地図だからって関係ないよ。



あれはただ道を記しただけで、先輩の李への"愛"があれば地図なんかなくても辿り着けるはず。



それほどに先輩は李にご執心だから。



『例え綾女ちゃんが李に近付かないでって言っても、俺は李の近くにいくから』



この言葉を聞いて安心した。
李は先輩に任せられるって思った。


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