だんご虫ヒーロー。

こんな真剣に甘く告白されたのなんか初めてだから、どうしたらいいのか分からない。



へ、返事をした方がいいよね。



でも私って先輩のことどう思ってるんだろう……



そんな風に先輩のこと見てなかったから分からない。



だからって曖昧なまま返事も出来ない。



だって先輩があんなにも真剣な目をして想いを伝えてくれたんだから。



俯いて考え込んでいる私の前髪を、先輩に優しく梳かれる。



ビクッと体が驚いて、ゆっくりと顔を上げると真剣な目つきのままの先輩と目が合った。



「……返事はすぐには出さなくていいよ。
これから言う"真実"を聞いてから、李の答えを聞きたいんだ」


「…真実………？」



先輩の言葉を木霊(こだま)すると、先輩はコクリと頷いた。



真実ってなんのことだろう。



先輩の秘密みたいなのかな？
それとも他の何か隠していた重大なこと？



「…"真実"っていうのはね、李の彼が李と交わした"約束"の意味だよ。
彼から聞いて、李に伝えてくれと頼まれたんだ。

直接李に言うのは、恥ずかしいからって」



……彼って、彼方だよね？



先輩は彼方と会ったの……？



なんで…何のために……



それを聞こうと口を開こうとしたけど、それよりも先輩が先に話し始めてしまった。



彼方と先輩が会った瞬間から、最後まで包み隠さずに。