だんご虫ヒーロー。



「…ももにずっとお団子頭でいるようにと約束したのは、周りに流されないように。

我が道を歩いて欲しかったから。


困ってる人を助けるという約束したのは、芯の通った諦めない人になって欲しかったから。

一度諦めても挫けずに、踏ん張るももになって欲しかったから」



保護者みたいに過保護でしょ?



彼は自分の言ったことをクスッと笑った。



確かに彼の考えは保護者のように過保護かもしれない。



でも李は原崎さんが望んだ通りに成長してる。



周りの噂に流されずに我が道を進んで、最後まで諦めずに困ってる人を助けた。



すごいの域を越えて、尊敬のレベルだ。



「ももは十分に強くなった。
俺も安心していつでも消えられる。

でもきっと俺が消えたら、強さに関係なくももは泣くと思う。だから………」



原崎さんは顔を上げ、俺を真っ直ぐに見つめてきた。



真剣な目つきに背筋を伸ばした。



でもその目つきはすぐに優しいものに変わった。



「君がももの泣く場所になってあげて欲しいんだ」


「……俺、が……?李の泣く場所……?」



驚いた。
てっきり、「ももに余計なことはしないで」みたいなことを言われると思ってたから。



まさか彼氏に自分の彼女を他の男に任せるなんて、予想もしなかった。


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