だんご虫ヒーロー。
約束を破ってでも変わろうとする。
それを聞いて変わろうと思った。
でも結局は約束を守らないとって気持ちが強くて、破ることに罪悪感があった。
私はまだ殻を破ってない、蛹(さなぎ)だった。
約束という殻を破らず、ずっと約束に閉じこもってた。
彼方は私が約束を破っても、怒らなかった。
もしかしたら彼方は約束を破ってもいいから、私に強くなって欲しかったのかもしれない。
「約束を破っても、ももが強くなれば成長すればそれでいい」って思ってたのかもしれない。
きっとそうだ。
ずっと彼方の傍にいたんだから分かる。
私が勝手に約束に閉じこもってただけで、彼方は自由にしていいんだって、殻を破って蝶になってもいいんだよって言ってくれてたんだ。
殻を破ろう。
約束という殻を破って、蝶になって自分で羽ばたこう。
私はぬいぐるみみたいに綿の詰まっただけの存在じゃない。
私にはちゃんと羽ばたける羽がある。
自分の力で生きていく強さがある。
羽が壊れたときに支えてくれる人がいる。
もう殻を破る準備はとっくに出来ていた。
あとは殻を破るだけだったんだ。