だんご虫ヒーロー。
本当の気持ち
チュンチュンと雀のさえずりが聞こえる。
……あれ、朝になってる?
いつの間に寝たんだろう。
あ、そうだ。
先輩に助けてもらって安心したら眠くなって、寝ちゃったんだ……
こんなにぐっすり寝たの久しぶりだ。
「………ん…」
温もりを感じて目を開けると、目の前の出来事に目が覚める。
わ!せ、せ、せ、先輩!?
見上げると先輩が私を抱き締めてスヤスヤ眠っている。
私は先輩の胸に顔を埋めて寝てたってこと?
段々顔が熱くなる。
離れようと先輩の胸を押すと、逆に引き寄せられた。
「…起きてたんですか、先輩」
「……うん。おはよ、李」
朝から完璧な笑顔を見せる、先輩。
眩しい笑顔にこっちが恥ずかしくなって下を向く。
すると私の額に温かいものが触れた。
え、今のって……
先輩を見上げようとしても、その温かいものがずっと触れているから上を向けない。
もしかして先輩の唇?
予想が当たった瞬間、頭から煙が出そうなくらいに熱くなり、慌てて飛び起きる。