だんご虫ヒーロー。
でもその愛の言葉に簡単に釣られてしまう。
だって先輩が好きだから。
愛が欲しいなんて言われたら、恥ずかしくても釣られるしかないんだ。
顔を真っ赤にしつつも、先輩の体にボフッと抱きつく。
「…李、俺の名前は?」
……。呼び捨てなんて恥ずかしい。
「……ゆ、ゆ、夕里……」
今にも消えてしまいそうな小声で言った。
せんぱ…夕里は満足したのか、私の頭を優しく撫でた。
恥ずかし過ぎて顔を上げられない私は、そのまま夕里の着ているパーカーに顔を埋める。
「…李」
夕里に名前を呼ばれ、ゆっくりと顔を埋めていたパーカーから夕里を見上げる。
すると夕里に優しい手つきで頬を撫でられ、その大きな両手で頬を包み込まれた。
そして夕里の手によって固定された私の顔に、夕里の顔が近づいてくる。
「……っ」
夕里は私に触れるだけの優しくも甘いキスをした。
いきなりのことで最初は目を丸くしたけど、甘いキスに次第に目を閉じる。