だんご虫ヒーロー。



そして更に私の頭を撫でて、腰にもう片方の手を回す。



いくら誰もいない公園でも、抱き合ってるのは恥ずかしい……



「…い、いつまでこうしてればいいんですか?」



そろそろ綾女が来る時間になってしまう。
でも夕里は簡単に私を離してはくれない。



「…んー、李の敬語がなくなるまでかな?」


「け、敬語がなくなるまで!?」



む、無理、無理、無理!



やっと名前呼ぶのには慣れてきたのに、更に敬語なくすなんてハードル高すぎる。



「む、無理です!まだ付き合って日が浅いし…慣れないと言うか……その、えっと……」



理由に困っていると、夕里の顔が近付いてきた。



「…早く敬語なくさないと、大人なキスしちゃうよ?」


「……へ!?」



ニヤリと笑って私を見つめる夕里。



私は驚き過ぎて変な声が出た。



お、大人なキスって………



考えただけで体が熱くなる。



「…せ、先輩!ち、近いです……!」


「あ、今先輩って言ったね?李は焦ると呼び方が付き合う前に戻るよね」



ふふっと笑って更に顔を寄せる夕里。



夕里は付き合い出してたらだいぶチャラく、腹黒くなった。



夕里の吐息が顔にかかり、もう少しで唇が重なりそうな距離まできてしまった。


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