だんご虫ヒーロー。
「…俺が李を避けてた頃あっただろ?
それは綾女ちゃんに、李には彼氏がいるから諦めろって言われたからなんだ」
え、綾女がそんなことを夕里に言ったの……?
そういえば知らなかった。夕里が私を避けてた理由。
あの時は気にしてられるほど、精神状態が落ち着いてなかったから……
「本当は2人を応援したかった。
でも………脅されて…どうすればいいのか分からなくなっちゃって…」
綾女は震える自分の体を抱き締めている。
「自分は助かりたいって次第に思ってて……そしたら先輩を傷付けるようなことを言ってた…
謝るのが遅くなってごめんなさい。
先輩に助けを求めた時から、真実を言おうって思ってたのに…」
綾女は震えながらもまた深く頭を下げた。
きっと、ずっと悩んでたんだ。
私達に真実を言おうか、このまま言わないでおこうか。
でも綾女は勇気を振り絞ってくれた。
私は綾女に近付いて優しく抱き締めた。
「…ありがとう、綾女。
勇気を振り絞って私達に真実を言おうって決めてくれて」
綾女の頭を優しく撫でる。
綾女は涙は見せないものの、体の震えを抑えている。