だんご虫ヒーロー。



「…それでこそ俺の李だよ」



ニコッと笑う夕里。



褒められているのかよく分からなかったけど、とにかく恥ずかしくて頬を赤く染める。



でも私がこうなったのは彼方と夕里のおかげなんだ。



彼方がいなかったら、きっと今の私は弱いままだった。



夕里が支えてくれなかったら私は先輩達を助けようだなんて思わないんだ。



彼方と夕里がいたから、今の私がいる。



「……でも武井さん達は悪い人には見えないんだよな〜……」


「え、それってどういうことですか?」



私をギュッと抱き締めて、夕里は天井を見て考えている。



どういうことなんだろう……



だって目つきとかスタイル的に怖そうな、悪いことしてそうなオーラが出てる。



「彼女達、毎回テストは学年ベスト3を独占してるんだよ。
しかもみんな満点で、順位は名簿順でつけられてるんだ」



ちなみに俺は4位。
そんな夕里の自慢は無視して驚いてしまう。



あの先輩達が学年トップ?



ヒトは見かけに寄らないと言うのは、まさにこのこと。



そんなに頭がいいんだ。



じゃあ、尚更なんであんな酷いことをしていたの?



理解力のある人なら、悪いことはやらないはず。



やっぱり何か理由があってあんなことをしているんじゃ……?



夕里が自慢しているのを無視して、私は先輩達のことを考えていた。


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