だんご虫ヒーロー。
私が敬語を外して話す度、夕里は満足したように笑顔を見せる。
まだ慣れないけど、夕里が喜んでいるのならいいかな。
なんて考えてしまう私は夕里にゾッコンと思われるのだろうか。
「今日は半年記念日だからね。
勉強があったとしても、無理やり休むよ」
ニコッと笑って私の額に口付けを落とす。
いつも思うけど、夕里との距離が近すぎる。
毎回心臓が破裂してしまいそう。
「は、早く行くよ!」
恥ずかしさを隠すようにして先を歩き出す。
照れ隠しだと当然気付いてる夕里はクスクス笑って、私の手を指を絡めて握り隣を歩く。
これが俗に言う恋人繋ぎ?
手がこんなにも密着して、夕里の体温をすぐ近くに感じる。
また変に緊張してしまう。
「……李のお母さんに会うのは久し振りだな。
李が落ち込んでた時に一度会ったんだよ。
すごい美人で、言葉が出なかったよ」
夕里は照れたように苦笑いした。
そっかあの時お母さんに会ってたんだ。
というかあの日はお母さんだったんだ。
彼方のことがあって気にしてなかった。
今日は夕里が来るって言ってあるから…
「……今日はお父さんだと思うよ」
私のこの言葉に首を傾げた夕里。
「どういうこと?」という夕里の質問に答える暇もなく、私の家に到着。