だんご虫ヒーロー。



そんな夕里に思わず抱きつく。



「わ、李!?」



驚いた夕里はベッドに倒れてしまった。
夕里が倒れても、私はきつく夕里に抱きついた。



「…怖かった。
大切な人が私の傍から消えて、あの時みたいに空っぽになるのが」


「…うん」



「もう空っぽになりたくないの。
もう大切な人をなくしたくないの」


「…うん」



「だから夕里が留学するって聞いたら、また空っぽになっちゃうんだって思って……怖くなった」



うんと返事をしながら夕里は私の話に耳を傾けてくれている。



頬に触れる夕里の温もりが、頭を撫でる夕里の大きな手が心地いい。



「…でも夕里が私のことを考えて遅くなっても一番に教えてくれたって分かって、なんだか安心した……以上……です」


「…うん、本音言ってくれてありがとう」



夕里は、私の頬を撫で笑顔を見せた。



その笑顔を見たら自然と涙は止まっていた。



そして私も自然と笑顔になって、夕里と笑い合った。



しばらくして夕里は言われるとは思わなかったことを口にした。


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