だんご虫ヒーロー。
そうかな?
そう言って夕里は苦笑いしてる。
キラキラ光る指輪をまじまじと見つめる。
そして夕里の右手薬指を見る。
恋人同士でこんなペアリングを付けて、形だけ見せつけて何がいいのか分からなかった。
でも今なら分かる。
遠くにいてもいつでも夕里を感じることが出来る。
ううん、それだけじゃない。
大切な約束もした。
必ず私の元に帰ってくるって約束。
その約束のための指輪みたい。
指切りした証みたいな感じかな。
「…夕里、約束だよ?
ちゃんと私のところに帰って来て」
夕里に右手の掌を向ける。
最初は少し驚いてた夕里だけど、やがて私の右手に自分の右手を絡めた。
「…うん、約束するよ。
李のところに帰ってくる、絶対に」
息がかかるほどの至近距離で笑い合った。
ねぇ、夕里。
この約束は破るためにあるんじゃないからね?
この約束だけは、守るためにあるんだからね?
だから破ったら許さないから。