だんご虫ヒーロー。
「李のことだからきっと私が辛い思いすると考えて呼ばなかったんでしょ?
もう大丈夫だから。
元々私が招いたことだし、自分の過去を抱き締めて生きるって決めたから」
だからそんな顔しないで?
綾女は私の眉間に寄ったシワを指で押し上げた。
以前の綾女とは何かが変わってた。
ちょっと綾女のこと信じてなかったのかも。
もっと綾女は大丈夫だって、信じてあげればよかったな。
私と綾女は互いに見つめ合って頷くと、急いで紙を剥がし出した。
校舎に別れて、生徒が来る前になんとか屋上まで辿り着いた。
屋上のドアに貼られている最後の紙を剥がす。
私の予想が正しければこの屋上に先輩達がいるはず。
残りの紙を持って、生徒達が登校してくるのを待ってるはず。
チラッと綾女を見ると、綾女の手が震えていた。
怖いよね。
この先に綾女を脅した人達がいるんだから。
綾女の手を優しく握る。
綾女はビクッと反応して私を見た。
私がいるよ、だから大丈夫。
そういう思いを込めて綾女に微笑む。