だんご虫ヒーロー。
そのニュースの中でも気になるのが耳に入ってきた。
『昨日の12時近く、駅付近のコンビニに強盗が押し入りました。
今回の事件で幸い怪我人はいませんでしたが、犯人は現金を奪い今も逃走中です』
トーストを食べながらテレビを見る。
あれ、この駅ってよく夕里との集合場所に使ってたところだ。
テレビに映っているのは私がいつも見ている駅そのものだった。
「…最近、その強盗の事件が2、3件続いてるのよ。
お客さんから聞いたけど、どの事件も同じ犯人らしいわ」
お母さんはコーヒーを飲みながらテレビを見てる。
「……へぇー…」
私の身近でそんなことが起きてたんだ。
ニュースとかあまり見ないから気付かなかった。
ぼーっとそのニュースを見ていると、トーストは食べ終わり、お母さんが淹れてくれたミルクティーも飲み終わった。
ササッと歯磨きをして制服に着替える。
久しぶりに朝テレビなんて見たから、若干家を出るのが遅くなってしまった。
ローファーを履き終わると、立ち上がりお母さんの方を向いた。
「…じゃあお母さん、いってくるね」
「行ってらっしゃい。この辺に強盗犯いるみたいだから、早めに帰ってくるのよ?」
もう、小学生じゃないんだから。
お母さんは心配しすぎだよ。
でもせっかく忠告してくれたから、コクリと頷いて私は家を出た。