だんご虫ヒーロー。
とは言ったものの……
「…北村さんと先輩達って助けづらいよね。
強気で近寄りがたいし……」
綾女に北村さんと武井先輩達をどうやって助ければいいのか相談してみた。
綾女に人助けのことを相談するのは初めてかもしれない。
でもやっぱり綾女にも難しいみたいで、眉間にシワを寄せて必死に考えてくれてる。
そんな話をしてたら学校が見えてきた。
「……すみません、ちょっといいですか?」
「…え?」
背後からいきなり声をかけられ、私と綾女は同時に振り返った。
そこには黒の短髪の夕里に負けないくらいかっこいいイケメンがいた。
夕里とはまた違った大人のカッコ良さが出ていた。
しかも夕里とは逆で、チャラさがない。
濃いグレーのパーカーの中に赤系のチェックのシャツを着ていて、下はお父さんもよく履いてるベージュのチノパン。
隣の綾女はタイプだったのか頬を赤くして言葉を失っている。
「あ、決して不審者とかじゃなくて、そこの学校の子に聞きたいことがあって」
男性は私達の高校を指差した。