だんご虫ヒーロー。



それから早苗はアタシを慕って、いつどこへでもついてきた。



その頃に花織が施設にやって来た。



いかにもお嬢様みたいな服装で、両親も可愛がっているように見えた。



『必ず迎えに来るから、いい子にしてるのよ?』



両親にそう言われて施設に預けられた、花織。



でも両親が迎えに来ることはなかった。



花織は気が強かったから泣かなかったけど、寂しそうにしていた。



だからアタシと早苗で花織の寂しさを埋めて、アタシ達は3人で寂しさを互いに埋め合った。



その時に思ったのは、アタシ達はこの世に捨てられたんじゃないかって。



神様が要らないと判断して、アタシ達を捨てたんだって。



今思うとガキの考えだけど。



だから目立ってやろうと思った。



アタシ達はここで生きてんだ、見捨てんじゃねぇよって神様に見せつけてやろうと思った。



いいことをするよりも、悪さをする方がよく目立つ。



だからアタシ達は悪さを始めた。



アタシ達の名前をこの世に広めて、存在を示すために。



それと同時に勉強も始めた。


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