だんご虫ヒーロー。



常にテストで学年トップになることで、名前が貼り出される。



そうすればアタシ達の名前は学年中に知れ渡るから。



それに悪さしたって成績良ければ、何も言ってこないだろ?



アタシ達がトップから落ちたことなんて、一度もない。



ここまでするのも、全てはこの世にアタシという存在を広めるため。



アタシを捨てた親に知らしめてやるんだ。



アンタ達が要らないと言って捨てた子供はここにいるんだって見せつけてやるために。



そう思えば、アタシ等のしてることってこの犯人と同じだったんだな。



北村と協力してだんご虫や栗丘綾女を脅したりしたのも。



全ては悪さをして目立つため。



でもただ一つ犯人(こいつ)と違うのは……



「アタシもアンタみたいに目立ちたいって思ってる。
でもアンタみたいに人を殺してまで目立とうだなんて思わない。

人を殺したら、目立ったとしてもこの先が刑務所行きだからな
。そんなのはごめんだね」



こいつとは違ってアタシは頭がいいんだよ。



ちゃんと考えて悪さしてんだよ。



話しながらまた反対側へと移動する。



店の外を通って反対側に移動した早苗達は、反対側にいた客をゆっくりと誘導し始めてる。



もう少しだ。



「…後先考えずに突っ走って、ほんっと馬鹿だよなアンタ。
馬鹿すぎて笑える」



犯人は下唇を噛み、苛立ちを露わにしてる。



「うるせぇっ!どいつもこいつも俺を馬鹿って言いやがって!
俺は天才なんだよ!神なんだよ!もっと敬えよ!」



ナイフの刃先がアタシの方へ向いた。



神?アンタが?



アンタが神なら、アタシは今までアンタに存在を示すために生きてきたっていうの?



冗談じゃないよ。


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