だんご虫ヒーロー。



犯人は刃先をアタシに向けたまま、ゆっくりと近付いてくる。



「…俺のことを馬鹿呼ばわりする奴から先にころし………」



ドンッ



犯人の言葉は、犯人に頭突きをした子供によって止まった。



その子供は人質の母親の子供だった。



「…はなせ……!ママをはなせ!わるもの!」



まだ5歳くらいの子供が母親を助けようとしてる。



母親は「逃げてっ!早く!」と子供を離そうとしてる。



でも子供は犯人の腹をパンチして攻撃してる。



アタシは子供の頃に悪さをしたのに、この子供は人を助けようとしてる。



「あ?なんだこのガキ?邪魔なんだよ、お前から殺すぞ!」


「きゃっ!」



犯人は母親を床に叩きつけた。



母親は頭を強く打ってその場に倒れる。



犯人はナイフを高く上げて子供に近付いて行く。



この時には何を思ったかなんて覚えてない。



ただ勝手に体が動いてしまった。



「…死ね!クソガキ!!」



犯人はナイフを振り下ろした。


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