だんご虫ヒーロー。
「…だから……ヒーローは……嫌いなんだ……よ…っ」
悪さをして、血を流したことはたくさんあった。
でもいい事をして、涙を流したのは初めてだ。
クソッ。
止まらない。涙が止まらねぇ。
悪さをして感じてたのは罪悪感。
この世にアタシの存在を知らしめるためだとしても悪さはいけない、どこかでそんな気持ちがあった。
でも悪さを止めることは出来なかった。
だって悪い噂はいつまでも残ってるのに、いい噂は時の流れと共に消えてしまうから。
アタシ等みたいなのがいい事をしたって、誰も見てくれないんじゃないかって気持ちの方が強かったんだ。
でもちゃんといた。
アタシ等がいい事をしたら、見てくれている奴がここに。
アタシ等の心配をして命懸けで助けてくれる奴がいる。
それだけで十分じゃないか。