だんご虫ヒーロー。
「…ハッ。朝から元気な女共だな〜」
背後から懐かしい声が聞こえた。
噂をすれば来るっていうのは本当みたい。
早苗と花織と同時に振り返ると、そこには手の包帯が取れ元気なりかがいた。
「りか!」
「りかちん!」
早苗と花織は自然と笑顔になって、りかに駆け寄った。
りかは二人の勢いに困ったように笑い、二人の頭を撫でている。
後からゆっくりとりかに近付いて行く。
私に気付いたりかは手を止め、私を見た。
「…おかえり、りか」
笑顔で言えば、りかはちょっと驚いていたけど、やがてふっと笑ってくれた。
「…ただいま、李」
そして私の頭を髪がグシャグシャになるくらいに撫でてきた。
彼女達はまだ生まれ変わったばかりで、ちゃんとした道を歩けていない。
でも大丈夫。
彼女達のこの笑顔は太陽よりも眩しくて暖かい。
例えこの先に試練があったとしても、彼女達なら乗り越えられる。
だって1人じゃないから。
3人でいるから乗り越えられる。
それに私もいるからね?
あなた達だけで乗り越えられない壁があったなら、私も手伝うから。
だから今は新しい道を真っ直ぐに進んでね?
仲良く話す3人を見てそんなことを思っていた。
そして終焉へと向かう鍵は、私の背後に潜んでいた。