だんご虫ヒーロー。
「…だーれだ?」
声ですぐに分かった。
最初から予想はしてたけど。
「……不審者かと思ったよ?夕里?」
振り返るとそこには微笑む夕里がいた。
夕里はそのまま手を私の前に伸ばして、私を後ろから抱き締めた。
「…李が待ち遠しくて出てきちゃった」
ふっと耳元に夕里の吐息がかかって、くすぐったい。
夕里は私の髪に顔を埋めて笑っている。
幸せだなーっと思ってると、ここは外なんだと気付く。
「…ゆ、夕里?ここ外なんだけど…?」
「うん、知ってるよ?」
夕里の腕を解こうとしても、更にキツく抱き締められて離れようとしない。
近所の人の視線が痛い。
かなり恥ずかしい。