だんご虫ヒーロー。
夕里は時々日本に帰ってくるだろう。
でもそれは毎日じゃない。
今までみたいに頻繁に会えるわけじゃないんだ。
「…今日はもう寝よっか?」
夕里は私に笑顔を見せると電気を消そうと、ベッドから立ち上がった。
私はいつの間にか夕里に後ろから抱きついていた。
「……す、李?」
夕里の背中に頬をくっつけて、ギュッと抱き締める。
「…怖がらなくていいんだよ?夕里。
私は夕里以外のところには行かないし、行く気もない。
私には夕里が、夕里だけが帰る場所だから」
言葉じゃ、こういうことしか言えないから信じてもらえるか分からない。
こんな言葉だけじゃ、きっと夕里の不安は打ち消せてない。
だから……
「…私の言葉だけじゃ足りないなら、いいよ。
私を、夕里のものにして」
抱きついていた手を離し、両手を広げる。
夕里はただ驚いて私を見てる。