だんご虫ヒーロー。
ため息をついて窓の外を見ると、空港が見えてきた。
いよいよだ。
いよいよ、夕里が旅立つ時がやってきたんだ。
空港に到着すると、美夕紀さんはキャリーバッグをトランクから出して夕里に渡した。
「いい?ちゃんと一人前になるまでは家に入れないから。
だから途中で投げ出すんじゃないわよ!」
美夕紀さんは「よ」と言った時に、夕里の背中を思いっきり叩いた。
夕里は苦笑いを浮かべつつも美夕紀さんにコクリと頷いた。
そして美夕紀さんとお別れして、私と夕里は空港内へと入った。
夕里が乗る予定の便までまだ30分近く時間があった。
私と夕里は時刻表の見える椅子に座り、ただその時を待っていた。
すると…
「あ!いた!李ー!芹田せんぱーい!」
大声で名前を呼ばれ聞こえた方を向くと、そこには綾女と尾口先輩、そして雪菜ちゃんが走ってきた。
私は立ち上がって手を振ると、ダッシュで来た綾女に抱きつかれた。
そして雪菜ちゃんも綾女に釣られて私に抱きついてきて、かなりビックリした。