だんご虫ヒーロー。
「…綾女ちゃん、雪菜。わざわざお見送りに来てくれて、ありがとう」
「当然でしょ?大事な"家族"が旅立つんだから、応援しないと!」
腰に手を当ててニコッと笑う雪菜ちゃん。
尾口先輩が「俺は!?俺の存在は!?」とか言ってるけど、無視しておこう。
雪菜ちゃんの口から『家族』という言葉が出て、夕里は何だかホッとしてるみたい。
でもその後の『旅立つ』という言葉に、私の胸はズキッと痛んだ。
何度聞いても聞き慣れない、旅立つという言葉。
私も雪菜ちゃんみたいに応援してあげたい。
でもそれよりも寂しさの方が強くなってしまっている。
コツン
隣にいた綾女が私の頭に頭をくっつけてきた。
「…李、寂しい時は寂しいって素直に言っても泣いてもいいんだよ?
きっと芹田先輩が抱き締めてくれるから……」
綾女の方が私よりも寂しそうな表情を浮かべている。