だんご虫ヒーロー。



これは、そうストーカー。



学校内だけ、私の後をついてくる奇妙なストーカー。



姿を見ようと素早く振り返っても、それよりも早く隠れてしまって誰だか分からない。



「…へ?ストーカー?」


「…うん、常に私の後をついてくる人がいるみたいなの」



困り果てた私は綾女にストーカーのことを相談してみた。



綾女は棒付きキャンディーを舐めながら、上を向いた。



やがてバキッと何かが割れる音がした。



恐る恐る綾女を見ると、綾女の口にあった棒付きキャンディーの棒が折れていた。



「…私の……私の李に付きまとうなんて……!!どこの誰じゃーーー!!」


「あ、綾女!?キャラが変わってるから!?」



綾女の背後にまた金剛力士像が見える。



すぐに綾女はニヤリと悪魔の微笑みを浮かべた。



「…李……ちょっといい考えがあるんだけど……ふふふふふっ」



この時私が思ったのは、綾女に相談しなきゃ良かったってことだけ。


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