だんご虫ヒーロー。



その子はいつもの髪型が崩れて髪を腰近くまで下ろしている。



そしてあたしに微笑んでいる。



「…す…もも…ちゃん…?」



お団子頭じゃないから一瞬誰か分からなかったけど、しばらくジッと見ていると、今朝見た李ちゃんと顔が一致した。



李ちゃんがあたしに覆い被さっていた。



「…大丈夫?北村さん」



李ちゃんは起き上がって、あたしに手を差し伸べる。



変についた手首がズキッと痛んだけれど、あたしはその手をとって起き上がった。



あたしの頬にペンキが付いていて、それ以外はどこにも付いてない。



でもあたしの頬にペンキが付いているということは、武井りかがペンキをぶちまけたということ。


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