だんご虫ヒーロー。
斎賀くんは意を決して、玄関のドアに手をかけた。
ガチャ
鍵がかけられてなく、ドアは簡単に開いた。
なんだか嫌な胸騒ぎがした。
私達3人は顔を見合わせると、ゆっくりと北村さんの家に入った。
「…お、お邪魔します……」
「…失礼しまーす……」
私と綾女はキョロキョロ家を見回しながら、中に入った。
斎賀くんは先に入って、北村さんの部屋に行った。
私と綾女はとりあえずリビングにいた。
リビングには今の北村さんのお母さんの写真があった。
笑顔がとても素敵で、北村さんに酷いことを言う人には見えない。
お父さんの写真もあって、とても優しそうな微笑みを浮かべている。
でも……北村さんが写る写真が…ない。