だんご虫ヒーロー。



「…尾口先輩、こっちはもう大丈夫ですから綾女を追いかけて下さい。
綾女はきっと屋上にいますから」



きっとじゃない、絶対屋上に行った。



こんなにも自分のことと重なることがあったんだ。
きっとあそこに行って、思い出すんだ自分のこと。



一瞬ためらってた尾口先輩だったけど、意を決したのか病室を出て綾女を追いかけて行った。



全く。心配そうな顔するくらいなら、すぐ追いかければいいのに。



ふっと笑ってから、私は北村さんを見る。



私の視線に気付いた北村さんは顔を上げ、私を見つめた。



「…北村さん、次は私と話をしましょう」



綾女に大事なところ持っていかれたけど、私もちゃんと話したい。



夕里のことを。


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