だんご虫ヒーロー。
でもその考えはすぐに変わった。
「…父が起こした事件は新聞に載って、すぐに私の通ってた中学に広まりました。
それから私は"殺人鬼の娘"と言われたり、"人殺し一家"と言われたりしてきました」
たくさん暴言も言われた。
『殺人鬼の娘がノコノコ学校くんな』
『人殺しの罪をお前の命で償え』
顔面めがけて投げられる石、ゴミ箱に捨てられる私物。
ビリビリに教科書は破かれたり、暴言を書かれたり。
たくさん怪我をして、言葉でたくさん傷ついた。
そしたら段々、考えが変わってきたの。
私のせいで殺人鬼になってしまった、父。
でも私は父のせいでこんな傷だらけの毎日を過ごすことになってしまった。
「父のせいだ。
全部、父がいけないんだ。
いつの間にか私は、父のせいにして逃げてたんです」
眉間にシワを寄せて私を見つめる、先輩。