だんご虫ヒーロー。



そんな先輩を見たら苦笑いしか出来ない。



「…私へのいじめは収まることなくて、次第に消えたくなったんです。
この世から存在を消して、楽になりたかった。

だから死のうと思ったんです。
学校の屋上から飛び降りようって」



あの時の私は生きているのに、死んでいるような目をしてた。



さっきの北村さんみたいに、絶望に満ち溢れた目。



死のうと思えばいつでも死ねた。



屋上の柵を越えて、落ちようとしたその時。



「…私が落ちようとした時に思いっきり屋上のドアが開いて、息を切らして怒ってる李がいたんです。

それ以上近付くと落ちるよ!って脅しても、怒ってる李はズカズカ歩いてきました」



李の言った言葉、今でもはっきり覚えてる。



『…そうやって1人だけ死んで楽になって、現実から逃げる気?

ふざけないで!

取り残された人の気持ちも考えずに、逃げようとするな!
あなたが死んだら、この子は誰が守るの?この子の涙は誰が拭ってあげるの!?』


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