だんご虫ヒーロー。
「…でも夕里には……李ちゃんが……!」
私は首を左右に振った。
そのことで北村さんは言葉を止めた。
「…夕里には私がいるからってそんなの関係ない。
夕里が好きなら、好きって言って私から奪うつもりで想いを伝えて。
それでもし夕里が北村さんを選ぶなら、私はちゃんと身を引くから」
だから私のことは気にしないで?
そう言ってニッコリと笑っても、きっと北村さんは気にしてしまうだろう。
彼女の圧力というか、きっと北村さんには重荷でしかないと思う。
私は病室の出入り口へと向かう。
私は大丈夫。
夕里が選んだ道を応援するから。
夕里が北村さんを選ぶなら、ちゃんと別れられる。
だって私は夕里のこと……
病室の戸に手をかけて廊下に出ようと、戸を開ける。