だんご虫ヒーロー。



な、なんで……
なんでここに来てるの…?



病室の出入り口の前に驚いて立ち尽くしているのは、夕里だった。



その夕里の姿に私も驚いてしまう。



きっと尾口先輩が夕里に電話したのかな?



もしかして今までの全部、聞いてた…?



そうだよね。
聞いてて入りづらくて、出入り口に立ち尽くしてたんだよね。



「…わ!ちょっと!ゆ、夕里!?」



何か話そうとしたら、いきなり夕里に手首を掴まれ引っ張られる。



いつもは私の歩くペースに合わせてくれるけど、今は私の前を早足で歩く。



おかげで私は小走りになってしまう。



連れてこられたのは階段。



看護師さんとかお医者さんがよく使ってるけど、今は誰もいない。



「…ゆ、ゆう………」



名前を呼ぼうとしたら両肩をガシッと掴まれた。


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