だんご虫ヒーロー。
真っ直ぐに見つめられて、目を逸らすことが出来ない。
「李は俺のこと嫌いになっちゃったの…?
他に好きな人が出来た?
それとも俺が何か嫌われるようなこと言っちゃった?
そしたら謝るよ……!謝るから……!」
あの夕里がすがりつくように私を見てる。
その目には涙が少し溜まってる。
やっぱり私が身を引くなんて言ったから、気にしてるんだ。
駄々をこねる子供のように「ヤダ!」を連呼してる、夕里。
これを見て安心してる私はきっと変だ。
でも本当に安心してしまったんだから、仕方ないんだ。
私は両手で夕里の頬を包み込んだ。
するとこれまで駄々をこねてた夕里がピタッと止まった。